2016年9月24日土曜日

骨を見てきた。

動物の本物の骨が見られる展示会に行ってきた。

たまたまラジオでこの展示会の存在を知り、気になっていた時、
近くに行く機会があったので寄ってみました。

会場は上野駅から歩いて10分くらい、東京大学本郷キャンパスの裏に位置する文京区の施設。
建物の2階の一部屋が展示スペースとなっている。


部屋に入ると一面の骨。
もっと規模の大きなものを想像していたので少し拍子抜け。
でも、よく見ると一つ一つの存在感が強く、独特の臭いも相まって、
エネルギー密度の高い空間が形成されている。



まず入口に鎮座しているのが、アジアゾウの頭部と下アゴの骨。
骨格には詳しくないのでいまいちピンとこなかったが、
後ろのモニタに簡単な解説動画が流れており、
・ゾウの鼻には骨がない
・歯は奥歯の方からドンドン生えてくるので,薄い歯がいくつも重なっている
といった事がことが分かった。



ゾウの隣の隣にいたのがキリン。
キリンのツノ?の部分って骨があるんですね。
形が特徴的なので、すぐにキリンだと分かる。

ツノのデコボコし感じがリアルで、滅茶苦茶かっこいい。
眉間のツノ(?)も思っていたより高い。今度、動物園に行ったときは注意して見てみよう。



ライオン。
歯の形が今まで見てきた草食動物と全然違う。
牙をベースにして頭蓋骨が設計されてる感じ。



ゴリラ、オランウータンはかなりヒトに近い。
ただ、どちらも頭頂部が球形でなく、ヒダ状のパーツがある。
一見似ていたけど、よく見るとヒトとは全然違う。



一番、ヒトに近そうに見えたのがパタスザル。
写真では分かりにくいけど、握りこぶしよりも一回りほど小さい。
頭の形が綺麗。



ゾウ、キリン、ライオンとった大型で有名な動物だけでなく。
イヌ、ネコ、ハムスターといった小型動物から、イルカ、カメ、といった海の生物、
インドガピアル、マーラ、ドールといった、名前を聞いてもピンとこない動物まで、
多様な種類の骨が見られる。



もちろん、頭蓋骨以外の展示も。
こちらはケヅメリクガメの甲羅。

内側から覗くと、甲羅が背骨と一体化しているのが分かる。
この甲羅、学術的には背甲(ハイコウ)と言い、お腹側の甲羅は腹甲(フッコウ)と呼ぶらしい。
カメの甲羅と言えば、分厚くて頑丈なものを想像していましたが、
厚さは5mmくらいで、光が透けるほどの薄さ。
もちろん、種類にも寄るだろうが。



特に説明がなかったけど、たぶん肋骨。
どれも大きさは違えど、形はほぼ同じ。
スケール効果により、全長の累乗で断面積が増しているように見える。



こちらはシロサイの角。
サイの角は皮膚や爪と同じケラチンでできているので、骨ではないらしい。
何にせよ、ディテールが凄まじい。
どうやったら作れるんだこんなもの......



空を飛ぶ哺乳類であるコウモリは指と指の間に膜がある。
生きている時は、さらにこの手と尻尾も膜で繋がり、翼を形成しているらしい。
軽量化のため、同サイズの飛ばない動物と比べると、骨が恐ろしく細い。


全体的に解説が少なめ(というかほぼ無し)なので、
頭蓋骨や手足以外の骨は、どこの部位か分かりかねる。
詳しい人と一緒に行くと,より楽しめそう.


写真手前はキリンの頸椎。
壁には骨の写真が飾ってある。



やはり頭蓋骨のテーブルが一番迫力がある。



こちらはナイルワニ。
ゴツゴツとした鼻先の形が骨からもよく分かる。



あと、印象的だったのだアオウミガメ。
目の掘りが仮面のようでとにかく格好良い。

チーターのような鋭い眼光。
生前のおっとりとした顔からはとても想像できないスマートな骨格。


他にも、ペンギン、カピバラ、イルカ、ペリカン、ヘビといった
様々な動物の骨が見られる。


自分の体の中にも、こんなものが何十個も入っていると思うと不思議。


東大の獣医学者の教授が展示監督をしていることもあり、
どの骨も非常に状態が良く、また見せ方も美しく、見入ってしまった。


かつて生き物の一部であった、本物の骨の存在感はとても写真では伝わらないので、
興味のある人は是非。
11月の終わりまで開催していて、無料だし非常に空いているので、ゆっくり見られます。



イベント概要
名前:「骨を見る 骨に見られる」
期間:2016年07月08日 ~ 11月26日
時間:09:00-17:00
休館:日曜・祝日
場所:文京区教育センター
料金:無料
URL:http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2016honewomiru.html